« ウチ目均考(28)~買収ファンドについて | トップページ | ウチ目均考(29)~モデレートな不安 »

2007年4月 7日 (土)

楽天市場のビジネスモデルの限界について

☆ 楽天市場のビジネスモデルに限界が見えてきた。かつて集客のツールだった楽天ポイントが逆にユーザーの不満の原因になりつつある。それはポイントと個別ショップの育成との混同に遠因があるが,基本的には拡大成長を続けてきた楽天市場のビジネスモデルに量的な限界が見えてきたからという感じがしないでもない。

☆ かつて楽天市場は,ユーザーの望む商品をよりやすく提供する場所であり,リアルショップであれば限界があった出店者に商圏の拡大を約束した理想的なモデルであった。仮想商店街というコンセプトは確かにネット先進国からの輸入であったかもしれないが,コンビニエンス・ストアがそうであったように,小うるさい日本の消費者を捉える仕組みとして独自の成長を見た。Web2.0以降,楽天は旧来のウエブビジネスモデルに分類されるが,強いて言えばウエブビジネスモデルの先頭を切って成功したのが楽天であるとも解釈できる。

☆ そこでは,誤発注を含めた瑕疵担保責任を少なくとも最初の段階では出店者と購入客の双方が分かち合うシステムになっていた。例えば初期の楽天ブックスでは,購入の意思表示の返信メールに,キャンセルについての決まりが書かれており,万が一誤発注をした場合でも注文が確定するまでの間(だいたい6時間程度ではなかっただろうか?)のキャンセルは有効とされていた。こうして購入者は発注確認時に再度自分の注文を確認し,出店者は誤発注によるトラブルを回避する手段を同時に得ることとなった。これは,同時履行の原則からは甘いことかもしれないが,逆に言えばクーリング・オフの機会を与えるという点で非常に優れた仕組みでもあった。

☆ しかし,そのような「牧歌的」な時代は,楽天の膨張と共に過去のものと成り果てたようだ。今では楽天が送ってくるスパム的な案内メールをうっかりクリックしようものなら,翌日からはそのメールをよく読んでなければ気付きもしないような小さな文字で(さすがに色は変えてそれなりに「強調」はしているのだが)書かれた無数のショップからの文字通り「売り込みメール」が大量に流されることになる。楽天側にも一応は考えがあるようで,登録ショップの一覧表なる画面にアクセスして,解除すればこれらの「売り込みメール」を回避することはできる。そんな面倒臭いことが嫌であれば,そもそも「楽天スーパーポイント」なるものを使わなければ良い。つまり楽天にとってポイントとは「使ってもらえなくても構わない販促ツール」のようなものになってしまったようだ。

☆ これは残念なことのように思える。それはまるで,金を使わせるために怪しげなサクラが気をそそるようなメールをたっぷり仕込んでくるどこぞの「出逢い系サイトビジネスモデル」とそっくりだ。いつから楽天はこんな凡庸な仮想商店街に堕してしまったのか。東京放送なんか手に入れても,最近の同局の体たらくを見る限り,カネを溝(どぶ)に捨てるようなものにしか思えないのだが,そんなに三木谷は「力と栄光」が欲しいのだろうか?

☆ もうひとつ。あたしが見聞きした中で最低な話を紹介する。楽天はかつてフリーマーケットと称してオークションをやっていたが,ヤフー!やモバオクに刺激されたのか,自分の所も「オークション」を名乗るようになった(こんな話は楽天ではゴロゴロしていて,かつて「楽天日記」だったものが「楽天ブログ」に名前が変わっている。よほど「世の中で流行っている名前にあわせる」のが好きな会社と思える)。その「楽天オークション」には入札しただけで「楽天スーパーポイント」が貰えるという有難いオークションがある。良く考えれば分かるが,入札をすれば入札者が楽天に登録した内容は出品者(個人ではなく,あくまで「楽天市場」に出店しているショップ」である)に届くことになる(個人情報の全部ではないだろうが)。

☆ その話では,1円オークションに入札して数週間後に突然「出品者(=楽天のショップ)」から「商品発送のお知らせ」が届いたというのである。「落札者」は慌てて「該当のオークションのページ」を開くと確かに自分の入札記録が載っている。入札したのは事実だが,落札の通知も何もなかったという。不審に思った「落札者」は楽天市場に問い合わせをしたが,しばらくしてから落札者の一覧にあると木で鼻を括ったような返事が届いたという。その頃「出品者」から代引きで送られた「落札商品」は何も知らない「落札者の家族」によって引き取られていたとか。。。

☆ この話を聞いて,あたしは楽天市場の利用は止めた方が良さそうだと思った。どうも個人情報がしっかり管理されていないように思えたからだ。あたしは別に楽天や楽天市場を貶めるつもりはない。ただ,個人的にはこの電子商取引の利用は「強く推奨しない」と思っただけのことだ。

|

« ウチ目均考(28)~買収ファンドについて | トップページ | ウチ目均考(29)~モデレートな不安 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。