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2006年11月11日 (土)

ウチ目均考(20)尊皇攘夷ガキズムを排す=大機小機「猪突」への反論

日本経済新聞 第43403号(2006年11月11日)第17(マーケット総合2)面

「大機小機」 アクティビストに対抗する方法

☆ これは暴論である。論者の猪突(以下全て敬称略)は,あたしの分析では盤側と並ぶ反株主主義反動論者だが,後者よりはまだまともな議論が書ける者と思っていた。しかし,それは呑気な勘違いだったようで,これから論評を加えながら全文紹介する内容をよく読んでいただき,猪突とあたしのどちらがマトモな議論をしているかお考えいただければ幸いに思う。

>アクティビスト(行動する株主)が再び動き始めた。今度は海外の投資家だ。アクティビストに対抗するためには,会社とは何かという原点に立ち戻って行動する必要がある。

☆ これが緒文。ここで想像されることは,猪突の認識は「村上ファンド」や「ダルトン・インベストメント」や「スティールパートナーズ」のような実質的グリーンメーラーだけがアクティビストということになる。ここから先の議論を決める定義の部分だから,これを疎かにすることは出来ない。

アクティビストとはどういう定義がされているか。かの論談のHPでは,6年も前に このような正確な認識 が書かれていた。驚くべきことに,論談にも彼等の立場があるから多少は割引かなければならないが,彼等の指摘が猪突盤側のような反動言論跋扈を日経の証券論壇に許していることは,ここまで来れば看過出来ない。論談を引き合いにするのが気に入らない人も多いだろうから(笑),もうひとつ。これは個人のウエブログだが,harry_g氏の ウォールストリート日記  からアクティビストに関するカテゴリを読むと,アクティビストからの手紙2006年3月14日)などに明快である。

☆ あたしがことさら猪突盤側のような反動言論に対して激しく反発するのかといえば,共同体としての株式会社が株主のものであるということは,反動言論者達が株主に対する感情論を剥き出しにする一方,そのような株主の跳梁跋扈を許した経営者の責任(法的に言っても株式会社の経営の責任は第一に取締役にあり,それを監視するのは内部統制上は監査役であるし,外部的には会計監査人であり,最終的には株主であるからだ)という基本的な問題を一切語ろうとしないからである。

> 会社とは人と資本の協働の制度である。資本主義社会では資本の側が主導権を持つように設計されている。だからといって,煮て食おうが焼いて食おうが資本の勝手ということにはならない。労働だけで価値を生み出せないのと同様に,資本だけでは価値は生めないのだ。

反動論者がことさら強調するお馴染みの論旨だ。まず理解できないのは前提で,猪突は「資本主義社会では資本の側が主導権を持つように設計されている」と書いている。会社のことを書きたいのか,資本主義体制のことを書きたいのか。全く分らない。会社,とりわけ株式会社についてせめて法的な基礎知識でも持ってから話して欲しいものだ。江頭先生の大著(基礎編として推奨したい=爆=)でもお読みになることをお奨めしたい。

江頭 憲治郎
株式会社法

☆ 株式会社が出来るのは,会社という組織が個人で経営するには資本面に限界があるからだ。それでも同族会社のように資本の流失を抑えながらある程度の経営権を維持する方法は残っている。だが先日も出光興産が上場したように,ある程度の規模を維持しながら成長していく時,株式の公開は有効な手段である。資本と労働が有機的に結合しなければ株式会社は機能しない。それは猪突盤側にわざわざ言われなくても分っている。 問題は株式会社という形態とそれを公開するということの意味との差異を論じるのではなく,それを意識的に混同しているところにある。この点からの批判は後述したい。

> それにもかかわらず資本の側に主導権が与えられているのは,人の意向を無視すると資本の利益にならないからだ。合理的な損得勘定をする限り,資本の側は人の側の意向を無視できないのだ。労働の側に主導権を与える制度は長続きしなかった。資本の側の意向が無視されてしまうことが多いからだろう。

☆ やはりこれも会社組織と体制論の意識的な混同である。なぜここでソヴィエト形態の失策かロバート・オーエン の失敗が語られるのか,あたしには理解できない。また,公開会社での株主(多数株主)と資本とを等価の議論にするのは,そもそもの議論の立て方が間違っており諸元前提おかしいシミュレーションが㌧でもない結論(=破綻)を招くのは必定だが,そのバカバカしさをこらえつつ,先に進みたい。

> 資本の側が問答無用の姿勢で臨んでくる時に,人の側がとりうる対抗手段は,「無視できるのなら無視して御覧なさい」という姿勢を貫くことだ。そのときに邪魔になるのは,「会社はわれわれのものだ」という日本的会社観と会社への忠誠心である。難しいけれども,「会社は彼らのものだ」という会社観に切り替えることである。

☆ やれやれだ。この一文を見た時,あたしは,昔(=あたしらが大学にいた頃)の出来の悪いアジ演説を聞かされたような不快感というかバカバカしさを思わずにはいられなかった。もしかしてこの人達(=猪突盤側)は,70年安保の頃まで頑張ってデモってたオサーンじゃなかろうかと。さすが転びマルチャン(=平岡正明命名)は考えることがプッツンして面白すぎる。(´∀`)

猪突殿に申し上げるが,CSRとはいったい何ぞや?おまいら反株主反動論者の視点は,情けないほど矮小・短絡的で,まさに左翼小児病典型にしか見えないんだが,何か?資本主義社会の公開会社では,株主経営のであり,労働者のであり,株主以外の全ステークホルダーのであり,社会のだとでも言うのだろうか?おいおい。株主総会屋グリーンメーラー決め付けなければ納得しないのか。。。いやまあ,呆れて物が言えないとはこういうことを言うんだよ┐( ̄ヘ ̄)┌。

> そのうえで「会社から取れるものはすべて取る」という姿勢で臨むことである。経営者自らと従業員に大盤振る舞いをすればいい。これまでは自分たちの会社だと思っていたから安く働いてきたが,これからはそうはいかないと投資家に説明すればいい。

☆ 再び猪突殿に申し上げるが,君はビートルズ「革命(Revolution)」というを知っているだろう。そこでジョン・レノンは,こう歌った。「毛主席の写真を掲げて歩いても,世の中はちっとも変わりはしないよ」。今さらながら,この歌を謹んで差し上げたい(爆笑)。君が言うアクティビストは,どうやら米帝の手先そっくりだ。ここで君とイデオロギーの対話をするはあたしには無いけれど,ステークホルダーとして株主が経営に物申すことは,下に掲げた悪徳経営者のように会社を食い物にすることではなく,会社が資産(=意味わかるね?現預金として退蔵している金銭等価物遊休地として眠っている土地など)をより有効活用具体的に言えば,ここ数週間の総合電機会社(=日立・東芝)やトヨタなどが行ったように)し,その結果が日頃の営業活動の結果を財務的に支援する(前者は営業利益,後者は経常利益もしくは特別利益として)ことで会社自体の付加価値を上昇させ,その結果を時価総額の増大剰余金の配当という形で株主に還元し,少数株主に長く資本的支援者となってもらい,そのことで社会的責任(=レゾン・デートル)を明確化するという使命(ミッション)を果たすことだ。法人税などによりこの利益は国家も享受し,そうやって社会全体が栄えていくことで国家基盤はさらに強化される。これはごく当たり前の道筋であろう。

ジョン・A. バーン, John A. Byrne, 酒井 泰介
悪徳経営者―首切りと企業解体で巨万の富を手にした男

猪突が1940年代後半の日共冒険主義に与(くみ)して「工場にペンペン草を生やしてやる」と息巻くのなら勝手に吠えればいい。しかしそういう演説は少なくとも証券論壇ではお断りしたい。ここは零細な個人投資家が企業の成長と共に自らの資産を増やすことに自分達の使命と考え,真剣に読んでいる場所なのだ。彼等をも侮辱するアジ演説をこれからも稿料を貰って,ここで垂れ続けるつもりなら,冗談はお前の顔だけにして,とっとと出て行け。ヽ(`Д´)ノ

> 会社のため,顧客のためなどということは一切考えず,自分たちの利益だけを考えることだ。そうなると,日本の会社はガタガタになってしまう。当然のことながら投資家の利益にもならないだろう。こうなる危険があるときには,投資家も節度を持って行動せざるを得ない。「アクティビストが出て行かない限り開き直る」とはっきり宣言すればいい。

気でも狂ったか?ここまで見境の無い論旨をよくこのに書けたものだ。日本人なら恥を知れ。お前が書いていることは,まるでそこいらの厨房2ちゃんねるの株板書き散らしている罵詈雑言同じ。いやもっと正確に言えば,大学が授業料を値上げするのは不当だから,こうした資本主義的搾取に抵抗する為に我々は全学無期限ストに突入するとでも叫びながら自分に酔っているお目出度いアホ面が見えるようだ。こういう主張は,まさに外国船打ち払い令と同じで,ウサマ・ビン・ラディンたちの主張に乗せられ自爆テロをする輩とも同義だ。

☆ 冷静に考えてみれば良い。会社が潰れて困るのは誰か?一般労働者だろう。さらに言えば,大して専門能力も磨けないまま企業内の政治で出世したホワイトカラーの中間管理職だろう。まあ努力しないのは自業自得かもしれないが,開き直って会社側に整理解雇の対象にされるのは,組合員でもない中間管理職に決まっている。アクティビストが出て来ただけでこんな祭を起こしていては社会は混乱し,世界の大部分の真っ当な投資資金は日本から資本を引き上げ,資源も何もないこの国がアッという間に没落してしまうのは,火を見るよりも明らかだ。

> 今回のようにアクティビストがTOB(株式公開買い付け)という問答無用の策をとってきたときには,開き直り作戦しかないのかもしれない。日本の人々は手ごわいとわかれば,海外のアクティビストは過剰な介入を控えるだろう。日本の会社制度を守るという大義名分があれば,取引先の経営者や従業員も理解してくれるはずだ。

☆ あたしには日本の市場を最も馬鹿にしているのはアクティビストでもなく,そんな輩につけ入られるような間の抜けた経営していた者でもなく,猪突盤側のような反動主義者ではないのかとしか思えない。日本の会社制度と猪突は言うが,イノシシ(=堀江貴文)が昔(=ニッポン放送株騒動の渦中に)言ったように「嫌なら上場しなければいい」のだ。

☆ ところがそれだけでは足りない。最近流行のMBOによる非公開化。この汚さについて猪突盤側自らの責任見解を明らかにすべきだ。今回のレッグスHDなど株主舐め切っているこの会社が再上場しても,あたしは絶対に買わない。株主(特に少数株主)には,こんなリスクすらあるというのに,反動論者は自分の都合の悪いことには黙して語らずなのだろう。お前らみたいなのをモラル・ハザードと言うのだよ。

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