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2006年11月 7日 (火)

After MURAKAMI

☆ 本日付の各紙報道によると,村上世彰被告が友人に宛てた手紙の中で,MACの事実上の清算を明らかにしているとのことである。

村上ファンド解散へ=「出資金返還にめど」-関係者に報告

> インサイダー取引事件で起訴された村上世彰被告が設立した「村上ファンド」が、近く実質的に解散する方向で調整に入ったことが7日、分かった。同ファンドは事件発覚後、投資家の出資解約が相次いだため、保有株式を売却し、運営規模を縮小。前代表である村上被告がこのほど関係者らに「出資金の返還にめどが付いた」と文書で報告した。株式の売却が完了し次第、年度内にも解散する方針とみられる。 (時事通信) - 11月7日11時1分更新

☆ これで何かが終わったのかといえば,確かに終わったと思う。例の如く村上をこき使って美味しいところだけを食い散らした外資千ン億は,新たな目標に向けてグリーディに嗅ぎ廻っていることだろうし,白コアラのような臆病な例外を除いて,村上ファンドに出資した者達は村上言うところの「キャッシュ・マウンテン」から堂々と解約金を引き抜いて涼しい顔をしていることだろう。あえてどこかのノンバンクとは言わないが。

☆ しかし「村上的なもの」がこの国の資本市場に投げかけた疑問は,例え本人が国策捜査のターゲットとして斃れたところで(爆笑),何ら解決してはいない。先ほど紹介した苦虫の認識が正しいように,この国の資本市場は個人投資家に対して何ら門戸を開いておらず(証券会社ではない,資本市場である),政府も口先のビッグバンと喉から手が出るほど欲しい増税との間(はざま)で,何ら有効な手立ては取れないでいる。

☆ その一方,資本の論理はどうかといえば「王者のディール」を仕掛けた王子製紙は,見事に足許をすくわれ,製紙業界では業界団体の中にまでその相剋が持ち込まれている始末だし,村上逮捕時にNHKで経営者が吼え散らかしていた明星食品は,スティール・パートナーズに引っかき回される。そうかと思えば,大量保有報告書を何年間も提出しなかったダルトン・インベストメントが大手を振ってサンテレホンの株式を買い捲っている。そこには,苦虫が言う「規律」のキの字もありはしない。

☆ こういう現実が写し絵になっているものは,村上世彰とか堀江貴文だとか宮内亮治だとかいう固有名詞に問題を矮小化したところで,この国の資本市場が抱えている病巣は何の変化もないということではないか。それは会社は誰のものかという一種の感情論にも似た解決無き袋小路の議論ではなく,会社とはなぜ存在するのか,資本市場とはどうして必要なのかというもっと基本的なところの認識のなさ。これに尽きるように思えてならない。

☆ 資本主義国家に住みながら,資本主義とは何か理解していないというのは,かなり滑稽な光景である。こうした基本的な疑問を持てないのであれば,堀江だろうが村上だろうが,固有名詞と関係なく,これからも何回も同じ光景を見ることになるだろう。

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