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2006年10月 5日 (木)

マネーロンダリング

マネーロンダリング Book マネーロンダリング

著者:平尾 武史,村井 正美
販売元:講談社
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☆ 読売新聞社の二人の記者による,克明な記録だ。世の中に「なんとかの帝王」は数多くいるが,これは「ヤミ金の帝王」と呼ばれた人物が,自らの身辺に捜査の手が伸びていることを察知し,荒稼ぎした金をどうやって隠そうかと考えたところから話は始まる。

☆ ロンダリングは洗浄と訳されるが,ランドリー(洗濯屋)だったら馴染みがあるだろう。金に色が付いている訳ではないが,実際に色が付いている以上「落とさなければならない」。そこにプライベート・バンクングで収益を荒稼ぎしたい外資系が絡めば,同名の橘玲の小説を思い出すだろう。こちらは事実だから,もっと興味深い。

☆ また五菱会という組織の名称が菱紋の五代目から来ていたとは改めて聞かされると成程と思わされる。三代目の死後,深刻な内部抗争を経て爆発的な組織拡大を図ったこの広域暴力団は,明らかに性格を経済ヤクザに変貌させている事が分かる。それは彼等の凌ぎにとってもビッグ・ビジネスであろうが,「振り込め詐欺」の類を見れば分かる通り警察が危惧する通り一般市民をより巻き込むことになる。そうした背景を考えつつ話を読んでいくと,ただただ興味深く感じるところだ。

☆ 先日「時間限定」でここに掲示したメルマガが指摘していたように,これからはますます資本市場を利用した合法的な資金吸収(IPOに始まりMBOを経て再度のIPOで完結する)が乱発される懸念を覚える。マネーロンダリングは立派な犯罪だが,資本市場の仕組みを使ってグレーゾーンぎりぎりで切り抜けようという品格なきグリード(貪欲さ)は,新たな犯罪モデルのプロトタイプとなることであろう。

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