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2006年10月12日 (木)

ウチ目均考(15)~小型株を誰が売るのか?

☆ いつも読んでいるメールマガジンに「10秒でわかる日経」というものがある。今日は,日本経済新聞第43373号(2006年10月12日(木))第3(総合)面掲載の記事「新興3市場 軒並み年初来安値」という記事を種に興味深い考察をしていた。

☆ 発行者である佐々木氏の考察はまず「現在の日本の小型株市場は、2000年の小型株バブル崩壊の再現を見ているようだ」と指摘する。これは同感。指摘によると,1998年10月から2000年2月までの「ITバブル」相場では,「ジャスダック平均株価は23ポイントから130ポイントまで5.7倍に上昇し、その後2000年末までに61%下落した」。

☆ これを比較しやすいように,出発点である1998年10月の株価を100とすると,
100×5.7÷(1-0.61)=222.3 となるが,もちろん個別株ではソフトバンクや光通信の株価が物語っていることだろう。この1998年10月というのは金融危機が大っぴらに言われた時期であり,Yahoo!掲示板などがまだ「フォーラム」としての機能を発揮していた時期でもあるまた2000年にはソニー株二分割前の高騰相場があった。

☆ 考察は続いて「今回も2002年12月の36ポイントを起点に2006年1月までに3.9倍に上昇し、現在までのところ42%下落している」という。

☆ これも同じように指数化してみよう。出発点である2002年12月の株価を100とすると,
100×3.9÷(1-0.42)=226.2 となる。

☆ メルマガにあったurl "http://tinyurl.com/s95wl" を見てみると,Bloombergの著作権マークの付いたチャートが出てきた。

☆ 東証マザーズ,JASDAQ指数,東証REIT指数,東証2部指数,TOPIX,日経平均と思われる6つの指数で,1年前をゼロとする推移をグラフ化したもので,これを騰落率の順に並べると,日経(+21.49%),TOPIX(+15.61%),REIT(11.37%),2部(-2.48%),JASDAQ(-19.89%),マザーズ(-39.88%)とこれぞ一目瞭然の結果である。

☆ これ自体はもっともな指摘だと思うが,こういう時点推移を見る場合,どこに起点を置くのかという問題があることを忘れてはならない。2002年12月が起点として適当なのか多少疑問がある。

☆ 佐々木氏は続けてこう指摘する。
「投資家はついこの前の事さえ忘れてしまったと見える。6年前と今年と、2度もこれだけの上昇率を示したのだから、近視眼の投資家には、儲ける機会が溢れていると考える人も多いのだろう。しかし、その儲けとは一握りの期間、多くの投資家のコストで、一握りの投機家だけが得られる性格のものだ。あたかも何とか商法と同じだ。」

☆ この指摘にも基本的に同意する。が,この6年,いや8年間に投資家の「質」が変わっていることを見落としているようにも感じる。一例として「ジェイコム株誤発注時に買いまくった」K君が象徴するようなデイ・トレーダーの存在がある。6年前のITバブル崩壊を象徴する事件は「日本経済新聞による個人掲示板への攻撃記事」であるが,当時はまだ中小型成長株に自らの夢を載せて長期のスタンスで買い煽った投資家が少なくなかった。そうした投資家を煽った外資系の無責任なアナリストレポートの存在も忘れてはならない。

☆ あたしはそうではなく,今年の1月にイノシシ(ライブドア)が東京高検のガサ入れにあった時に,相場が短期間で一時的に回復した背景にはこうした個人投資家の買い物ではない「行け行け筋=Go Go Fund」がいたのではないか?そして結果としてイノシシを発端とする新興企業の会計疑惑が続発し,新興企業の財務諸表に疑いを持たれたところで,どんどん機関投資家が売り切ってしまい,それを途方に暮れて見送っていたファンド筋が,ここに来て解約売りを出しているのではないかと考える。

☆ もちろん「それは現株が投信に変わっただけだ」と言われればそこまでだろうが,あれもこれも個人投資家だけがバカを見ているというのが本当に正解なのか,あたしには解らない。

☆ 佐々木氏は止めを刺すようにこう結んでいる。あたしも同意見である(実際,しくじったのは先日書いたとおり^^;)
「上がったり下がったりが激しい市場というのは、儲かる市場ではない。単にリスクが高い市場であるに過ぎない。小型株市場を世界の中で見てみると、過去5年の成績は22市場中の21位、今年だけに限ってみると最下位の成績だ。2003年から2006年初にかけて日本の小型株市場は大きく上昇したという印象をもたれがちだが、実際のところは異なる。

     01-06累積 2006 2006ランク
DENMARK    372%  33%  3/22
SPAIN      313%  34%  1/22
AUSTRIA     248%  25%  6/22
NEW ZEALAND   243%  11%  16/22
SWEDEN     233%  33%  2/22
AUSTRALIA    203%  19%  10/22
IRELAND     191%   5%  20/22
FINLAND     188%  16%  13/22
SINGAPORE    177%  29%  4/22
CANADA     154%   8%  18/22
PORTUGAL    126%   0%  21/22
SWITZERLAND   98%   27%  5/22
BELGIUM     97%   18%  11/22
NORWAY      96%  19%  9/22
UNITED KINGDOM 95%   21%  8/22
ITALY      90%   22%  7/22
HONG KONG    88%   10%  17/22
USA       79%   8%  19/22
FRANCE      64%  18%  12/22
NETHERLANDS   62%   15%  14/22
JAPAN      57%  -22%  22/22
GERMANY     52%   15%  15/22

「ビジネスでも投資でもそして魚釣りでも、魚のいるところで釣りをするというのが鉄則。馴染みがあるから、慣れているとかで始めると失敗する。」

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