« やっかいな相場考(3)~新人王相場 | トップページ | ウチ目均考(12)~経済教室 新会社法と金融商品取引法 感想 »

2006年9月 4日 (月)

ウチ目均考(11)~犠牲バント失敗?

☆ 2ちゃんねるの攻撃用の落書きに「だめなやつはなにをやってもだめ」というのがある(これを直線等をを駆使してデカイ字で画面いっぱいに書きなぐる)が,ダメな組織は人が変わってもとことん駄目らしい。今朝来た日本経済新聞第43337号を読みながらつくづく思った。別に記事そのものに何か問題がある訳でもないので紹介するが,ひとつは5面(オピニオン)その名も格調高い「核心」欄。署名者は産業畑の編集委員からコラムニストに昇格した西岡幸一である。

☆ 西岡ほどの書き手でもオヤジギャグもどきの「半勝ち王子の犠牲バント」なんて,あたしらですら遠慮するようなしょうもないタイトルの記事を書くものかと呆れている。しかも残念な事にその視点は後で法務面に出てくる三宅伸吾の分析記事と似たり寄ったりだ。西岡が書きたい事を縮めて言うと,今回のTOBは経営者に「常在戦場」意識を植え付けM&Aを身近に感じさせたから犠牲バント程度の効果はあったということだ。

☆ だが本当にそうだろうか?西岡自身が途中書いているように「世界の製紙業界を冷静に見れば」王子の戦略(=まず国内の消耗戦を止める)が過ちと言えたか?昨年はフィンランドの製紙大手企業のストライキという需給要因があったにもかかわらず,市況軟化に歯止めはかからなかった。シンガポールのAPPはいつでも塗工紙を輸出可能な体制を東アジア圏内に築いている。王子,日本の両者が揃って中国進出に失敗し見直しを余儀なくされたのも昨年から今年にかけての状況だ。こんな状況で「犠牲バント」が及ぼす影響は,紙・パ業界に更なる競争を巻き起こし,消耗戦を強いるだけ以外の何があるのだろうか。

☆ さらに紙・パ業界の構造問題は,上流(生産)より中流(卸),下流(販売)にあることくらい,産業部の記者ならず商品部の記者にだって分かりそうなもの。それを議論の中に入れずにM&A状況の今昔物語など眠たい内容を書くのがコラムニストの使命なのか?

☆ もう少し「異論」を書くべきではないか?M&Aに関する分かり切った視点の話は三宅のていねいな分析で十分だ。西岡が大所高所というのであれば,産業として日本の紙・パルプ業界はこのままで良いのか,今回のM&A対抗手法は,理屈や感情論では正しくとも,この業界全体の問題としてはどうだったのか。それを東アジア全体で俯瞰して考えたらどうなのか?そういった視点から私見を書いて初めてコラムニストの名に値するのではないか。

☆ こうした全体を通観した総論は確かにコラム的には無難かもしれないが,そんなものを木鐸とは言わないし,言う資格もない。

|

« やっかいな相場考(3)~新人王相場 | トップページ | ウチ目均考(12)~経済教室 新会社法と金融商品取引法 感想 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« やっかいな相場考(3)~新人王相場 | トップページ | ウチ目均考(12)~経済教室 新会社法と金融商品取引法 感想 »