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2006年6月 2日 (金)

ネット証券は,一般信用に素人を引きずり込むことが適合性の原則に違反していないと言うのか?

ネット証券は,一般信用に素人を引きずり込むことが適合性の原則に違反していないと言うのか?

☆ どうにも納得がいかないことがある。

☆ 今年に入ってからの個人投資家の売買動向だ。

☆ 本来,1月16日夜にライブドアが衆人環視の中,東京高検の家宅捜索を受けた時点でショック安はかなり大きいものになると予想された。実際にここから2月まではそういう相場が続いたが,下がり方が思ったよりも緩やかで,リバウンドが比較的早くやって来た事が,イメージと大きく異なっていた。市場の一部には狼狽売りを吸収したという解説があり,確かにそうかもしれないとも考えていた。

☆ しかし,どうもその理由は違うところにあったような気がする。それは,信用取引における売り(買い建ちに対する売り落ち)が一向に進んでいないところにあった。本来,制度信用であれば6ヶ月という期限があるから,相場が下げ転換したのであれば買い方はいったん手仕舞うべき所である。しかし,今回はなかなかそうならなかった。なぜか信用倍率が縮まらない銘柄が主力株に続出していた。

☆ この理由を一般信用に置いてみれば合点がゆく。制度信用は先物と同じで,どこかで必ず反対売買をするか現引き・現渡しを行って決済しなければならない。つまり時間による制約を受ける仕組みになっている。だから制度信用を使って売買する場合は,ロスカットを励行しなければならない。自分が現在,信用取引をやらない理由はここにある。やはりどうしても相場の場味を見ないと思わぬロスを受けるからなのだ。

☆ だが,一般信用はその点では甘くなりがちである。建てっぱなしが出来るということは,実は制度信用以上に玉管理が出来ないといけないのに,ネット証券ではそういうことをきちんと顧客に説明して信用口座を開いているのだろうか?ネット証券だけではないかもしれないが,とにかく信用取引を小額から出来るようにすることで,手数料の薄利多売と資金の有効活用を考えた松井以下の証券会社の着眼点は悪くないと思う。だが,それが結果として,素人投資家を真綿で首を絞めるように追い込む結果に繋がっているのだとすれば,これは適合性の原則に違反している違法な勧誘だったと非難されて然るべきではないだろうか。

☆ 先日も指摘したマネックス証券は,信用の担保価値を突然蒸発させ,市場に更なる混乱を招いた。しかし,自社の利益に繋がる一般信用口座の拡大に邁進するあまり,適合性の原則すら忘れた勧誘活動がネット上で罷り通っていたとするならば,そんな証券会社に誰を指弾する資格があると言えようか。証券監視委員会,あるいは金融庁は,この一般信用口座の個人投資家への勧誘方法について各証券会社から聞き取りを行うべきである。健全な市場を育成したいのであれば,不健全なルールは排除すべきである。

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コメント

コメント読みました。YOUの新しい才能・文才を今の今まで全く知らなかったことを非常に恥じております。チミは小説を書くべきだ! それも私小説と経済分野を融合したようなものを! 発表されたら一番に読みます。

古くからの読者より。

投稿: 越前屋 隼人 | 2006年7月18日 (火) 18時54分

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