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2006年6月 5日 (月)

様々なる人々(6)

☆ 前に書いたように,証券会社の店頭には幾つかの小さなグループが出来る。それぞれのグループには別の相場名人が中心にいるわけだが,選択テレビクイック端末を巡ってたまに小競り合いが起きる程度で,大概は相互不干渉である。もっとも大手母店クラスになると,そういうグループの存在を知らない素人衆選択テレビ不用意独占して,険悪なムードのなることも少なくなかった。


選択テレビではその名の通り自分の好きな銘柄登録できるので,相場名人は自分のページを何ページも持っている(確か選択テレビの登録可能ページは64ページか72ページだったと思う)。要はそこを開ければ名人銘柄四本値バイカイ(売り買いの板=ただし直近の一本のみ)が見られる。また,そこから個別銘柄選択すれば四本程度の歩みも見られるのだから,当時としては必須の武器だった。今だったらMarket Viewerなどで自宅にいても簡単見られるが,まだインターネットなどモザイク の向こうの世界だったのだ(爆)。


☆ 今でも変わらないが,店頭にそういう端末があると,それを独占したがる人というのは必ずいる。ご丁寧にメモ帳か何かに書いたMy銘柄コード一覧表持参する人も少なくない。気持ちが分からないのではない。少しでも相場と繋がっていたいのだ。たとえ売り買いに係れなくても(^^;)。だが,端末はチミの私有物ではないのだぞという空気がだんだん周辺に濃くなっていく。つまり険悪になっていく。銀行の振込機能付きATMの前の行列と同じだと言えば,イメージできるだろうか。まあそういうことで,最後に(今風に言えば)「お宅さぁ,いい加減にしてくんないかなぁ」という事で端末から排除されるのがオチである。


☆ 面白いもので,相場名人の注文営業を呼び寄せて小声で執行するものらしい。当たり前の話だが,自店内で提灯をつけられたくないのだ。買うまでは(^^;)。しかし,相場名人が相場を張るという話は,ついぞ聞いたことがない。だって早耳筋の追っかけなんだから,自分じゃ相場のイニシアチブなんか取れるわけがない。それでも相場名人にはそれなりの取り巻きがいる訳だから,買った後に講釈を垂れるためには自分の注文だけはそそくさと執行していただかなければならないのである。


相場名人が一番好きなのは相場師。これを相場師というかどうか個人的には異論を持っているが,誠備投資顧問室以来の加藤アキラということになるだろうか。清水一行が『擬制資本』で活写した,あの加藤である。


清水 一行
擬制資本

☆ 『擬制資本』のモデルとなっているのはMエンジニアリンググループ(の前身であるM鉄工所)。その後も加藤は,今はなきH製紙(現O製紙)や,日本C等の巨大仕手戦の主役を演じ,KNの仕手戦では「新しい風の会代表の肩書きで日本経済新聞市場面署名記事日経の報道への反論のレター)を掲載したことも知られている。しかし,加藤や彼がかつて外務員として勤めていたK証券(この辺全て伏字及びイニシャルなのは,関係者に迷惑がかかってはいけないからです)からの手口情報が伝わると,大手を除く証券会社の市場部ザワザワし始め,それがファックス経由で支店,そして相場名人の元へと伝わっていくのである。


(続く)

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